「なぜ勉強しなければいけないの?」
そんな質問を、お子さんから受けたことはありますか?
私は、何度もあります。
いや、もっと正確にいうと、
「顔がそう言ってる」という子も合わせると、
実に9割近い子が、この疑問を持ったまま勉強を
していると、思っています。
こういうことを考える子に共通しているのは、
「勉強が嫌い」という気持ち。
だって、好きで好きでたまらないことは
「なぜやらなきゃいけないんだろう」なんて
考えないですもんね。
この「なぜ勉強するのか」という問いは、
「なぜ生きるのか」という問いと同じように、
実は深いものです。
当然、一人一人答えも違いますし、
同じ人でも、その時その時で答えが違って良い
ものだと思っています。
でも私は、こういうことを、
小学校5年生くらいになったら、
ちゃんと考えて、
自分なりの答えを持っておくべきだと思っています。
今日は、「勉強が嫌い」な子の中でも、
知的好奇心や探究心はあるんだけど、
「学校の勉強」が嫌い、という子に向けて
お話ししようかと思います。
先日、21歳の女性の方とお話ししていたのですが、
その方は、学校の勉強はとてもつまらなく、
苦手だったそうです。
学校の勉強が本当に嫌で、
中学では不登校になり、
高校も、通信制の高校で卒業単位を取って
社会に出たそうです。
そんな彼女が、
「その話を子どもの頃に聞いていたら、
もっと勉強楽しかったのに!!」と
言ったんです。
それがどんな話かというと・・・
最初に、逆にみなさんに質問したいのですが、
そもそも「学校で習う内容」って
何なんですか?
誰が、どうやって決めるんですか?
という質問に、あなたは答えられますか?
・・・・・・・
学校で習う内容は、実は、
日本の各界のトップの人たちが、
頭を寄せ合って、相談して決めているんです。
何を「学校で習うこと」
「教科書に入れること」として決めているかというと、
それは、「これだけは後世に伝えたい」という
内容を絞りに絞って、教科書にしているんです。
小学校の内容だったら、知っているだけでなくて、
使えるレベルまで、全ての人が身につけた方が良いよね、
という内容を厳選しています。
中学校の内容は、完璧じゃなくても良いけど、
生きていく上でこれだけは知っておいた方が良いよね、
という内容を、教科書に詰め込んでいるんです。
これは、今の各界のトップの人たちだけが決めたんではなくて、
その前の世代、その前の世代、とさかのぼって、
選びに選んだ内容なんです。
つまり、人類が今後も発展し、
生存していくために
必要不可欠なこと、
しかも、日常を生きているだけでは
学びきれないことが、
教科書には凝縮されているのです。
言い換えると、教科書というのは、
「先人の文化を受け継ぐ」ための、
欠かせないツールというわけです。
この、「文化を受け継ぐ」という行為ですが、
実は、人類の歴史そのものが、
「文化を受け継ぐ」という
行為で成り立っているんです。
人は、今地球上で、
生き物を支配する頂点にいると言えますよね。
では、他の生き物、動物と人間を分けたものは何だったのか?
それは、「火」を操れるようになったことですね。
誰かはわからないですけど、
私たちのずーっとずーっと前の祖先の誰かが、
「火を起こす」という発明をしました。
「火」は、動物たちにとっては、
恐怖です。
だから、人類は、火を操れることによって、
他の獣から身を守ることができるようになったんですね。
でもこの、「火を起こす」のも、
誰か一人が知っているだけでは不十分でした。
なぜなら、その知っている人が死んでしまえば、
やはりまた、他の獣に脅かされる日々がきてしまうわけです。
ではどうやってそれを解決したのか?
それが、
「伝える」
という行為ですよね。
こうやって、最初は身振り手振りだったかもしれない、
でもそこから言葉が生まれて、
そして、絵に描くことで伝えるという技術が生まれて、
文字が生まれて、
紙が作られて、
今や、電子を使って
世界中に一瞬で情報を運ぶことができるようになりました。
こんな風にして、
伝える技術をどんどん洗練させることで、
人は文明を発展させていったのです。
特に、文字と紙が普及してからの
文化の伝達度合い・スピードは、
それまでのものと比べ物にならないくらい
すごいものになりました。
こんな風にして、
今こうやって生きている私たちも、
親から受け取ったバトンを次世代に引き継ぐ、
壮大なつながりの中の一役をになっている
に過ぎないんですよね。
「学ぶ」ということは、
文化を受け継ぐことであり、
受け継いだ文化を
次世代につなぐ。
つまり、「学ぶ」ということは、
「生きる」ということとほぼ同義なのです。
そんな視点で、教科書を見てみると、
本当に素晴らしい「人類の知恵」が
たくさん詰まっている、
と気づくことができるでしょう。
ぜひあなたも、今日から
教科書を開いてみてくださいね。
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