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不登校でも公立高校受験は可能?内申点・出席日数の壁を乗り越える戦略と家庭でできる学習法

不登校でも公立高校受験は可能?

「学校に行けていない…」公立高校受験、内申点と出席日数の不安

学校にほとんど行けていないけれど、公立高校には行けるのだろうか?

内申点(調査書点)が全くつかないかもしれない…

お子さんが不登校や不登校傾向にあるとき、中学受験とは比べものにならないほど重くのしかかるのが「公立高校受験」の壁です。

それもそのはず、多くの地域で、公立高校の合否は「当日の学力検査」と「内申点」の合計で決まるからです。

しかし、道が完全に閉ざされたわけではありません。

この記事では、不登校生が公立高校受験に挑むための具体的な戦略と、ご家庭で今すぐ始められる対策を徹底解説します。

なぜ公立高校受験は「内申点」がカギなのか?

まず、公立高校受験の現実を知ることが対策の第一歩です。

  • 合否は「学力検査+内申点」で決まる
    地域によりますが、「当日のテスト5:内申点5」や「テスト6:内申4」のように、内申点が合否の半分近くを占めるケースが一般的です。当日の学力検査で高得点を取れても、内申点が低いために合格が難しくなることもあります。
  • 内申点は「テストの点」だけではない
    内申点は、定期テストの成績だけでなく、「授業への参加態度」や「提出物」なども含めて総合的に評価されます。学校に行っていないと、この評価を得ること自体が難しくなります。
  • 出席日数が足りないと「受験資格」を失うことも
    一定の日数以上欠席すると、内申点以前に受験資格そのものに影響が出る地域もあります。

この「内申点・出席日数」の壁こそが、不登校生にとって最大の課題です。

【対策①】学校に行かずに「出席日数・内申点」を確保する方法

内申点対策として最も重要なのは、「欠席」を「出席扱い」に変えることです。

出席扱いになれば、内申点がつく可能性も出てきます。制度として、以下の方法があります。

  1. 保健室登校・別室登校 クラスには入れなくても、学校内の保健室や相談室などに登校することで「出席」と認められるケースです 。
  2. 適応指導教室(教育支援センター) 自治体(市区町村)が設置している、不登校の生徒が通う施設です 。ここに通うことで、在籍校の出席扱いになることが多くあります。
  3. フリースクール・学習塾 民間のフリースクールや一部の学習塾への通所が、出席扱いになるケースもあります。
  4. IT等を活用した自宅学習 文部科学省が認めた特定のICT教材(例:「すらら」など )を使って自宅で計画的に学習し、学校と連携することで出席扱いになる制度です 。

【最重要ポイント】

これらの方法で「出席扱い」とするかどうかは、最終的に在籍する中学校の校長先生の判断となります。まずは必ず、担任の先生や学校側と「どの方法なら出席扱いになるか」を具体的に相談してください。

【対策②】学力勝負!「内申不問」の道を探る

出席扱いの相談がうまくいかなかったり、内申点の回復が間に合わない場合でも、学力(当日のテストの点)で勝負する道があります。

1. 公立高校の「不登校枠」や「特別選抜」を調べる

自治体によっては、不登校経験者を対象とした特別な選抜枠(不登校枠)を設けている公立高校があります。

また、内申点の比率を下げて、当日の学力や面接、自己申告書などで合否を判断する「自己表現選抜」のような制度がある地域もあります。

代表的な例として、次の都道府県では不登校生向けの審査枠が設けられています:

  • 東京都:公立高校選挙に「不登校・長期欠席者枠」があり、面接や調査書などを重視して選抜。
  • 大阪府:「特別枠」や「適応指導教室枠」などで不登校を支援します。
  • 神奈川県:適応指導教室通級や出席状況などを考慮した特別な選考枠がある。
  • 福岡県:「不登校・長期欠席者枠」や「適応指導教室枠」が設けられています。
  • 愛知県:「適応指導教室枠」などで不登校を支援する枠があります。

 他の都道府県も、同年や地域により「不登校枠」や「特別選抜枠」が導入されている場合がありますが、名称や応募方法、選考基準は異なるため、各都道府県の教育委員会の公式サイトや募集要項を確認するようにしてください。

これらは情報戦です。お住まいの都道府県の「教育委員会」のウェブサイトを必ず確認してください。

2. 「不登校特例校」という選択肢

不登校の生徒の実態に配慮した柔軟なカリキュラムを持つ「不登校特例校」(文部科学省認定)も全国に増えています。授業開始時間が遅いなど、通いやすい工夫がされており、受験のサポートも手厚い場合があります。

3. 最も現実的な併願先「私立高校」

公立高校が内申重視であるのに対し、私立高校は「学力」を重視する傾向があります。不登校生にとって、私立高校は非常に現実的かつ有力な選択肢です。

【私立高校攻略の鍵=公開模試+個別相談】

私立高校は、内申点の代わりに「公開模試の偏差値」を学力の証明として重視します。

学校に行けていなくても、必ず公開模試(塾に通っていなくても個人で申し込めます)を受験してください。その結果を持って、志望する私立高校の「学校説明会・個別相談会」に参加します。

そこで「学校には行けていませんが、このくらいの学力はあります。貴校で学びたいです」と直接伝えることが、内申点なしで合格を掴むための最強の戦略です。


【対策③】逆転の土台。「家庭学習」で学力を身につける

どの道を選ぶにしても、「学力」がなければ始まりません。

学校に行っていない時間は、学力を効率的に高めるチャンスです。

  • 学校の授業は非効率?
    学習定着率の研究(ラーニングピラミッド)では、学校の「講義」は定着率5%と最も低いとされています。自宅で能動的に学ぶ(読書:10%、他の人に教える:90%など)方が、効率が良い場合も多いのです。
  • 中学の勉強は「予習・復習」が前提
    中学校の授業は進度が速く、授業時間内に問題演習が十分にできません。そのため、自宅での「予習(授業の導入)」と「復習(問題演習)」が前提となっています。不登校のお子さんは、この予習・復習を自分のペースでじっくり行える強みがあります。
  • 学習時間の目安
    中学生が学校の授業内容を定着させるには、毎日1時間〜1時間半の家庭学習が目安です。

【学年別】今すぐやるべきこと

お子さんの学年に応じて、今すぐ取り組むべき優先順位が異なります。

中学1・2年生の保護者様へ

まだ時間はあります。内申点対策を最優先に動きましょう。

  1. すぐに学校と相談する
    まずは「出席扱い」になる方法(保健室登校、適応指導教室、IT学習など)を具体的に相談してください。中1の内申点から評価対象になる地域も多いです。
  2. 学習習慣を確立する
    中1の最初の定期テストで「自分はできる」という自己イメージを持つことが、その後の3年間を決めます。毎日30分からでも良いので、家庭学習を習慣化させましょう。
  3. 小学校の基礎を固める
    もし勉強が遅れている場合、中学の勉強より先に、小学校の「漢字」「分数・割合・図形」の復習を完璧にしてください。

中学3年生の保護者様へ

時間はありません。学力証明と情報収集を同時に進めます。

  1. すぐに「公開模試」を受ける
    現在の客観的な学力(偏差値)を知ることが全てのスタートです。
  2. 志望校の「個別相談会」に行く
    模試の結果を持って、私立高校の個別相談会にできるだけ多く参加してください。ここで「内申がなくても、この偏差値なら大丈夫」という確約(内諾)を得ることが目標です。
  3. 「不登校枠」の情報を集める
    同時進行で、お住まいの地域の公立高校に「不登校枠」や「内申点を見ない選抜方法」がないか、教育委員会のウェブサイトや中学校の進路指導の先生に確認します。

まとめ 不安を「具体的な行動」に変えましょう

不登校からの公立高校受験は、確かに簡単な道ではありません。しかし、「内申点がないから終わり」と諦めるのは早すぎます。

  • 対策①: まずは学校と連携し、「出席扱い」になる方法を探る。
  • 対策②: 同時に「公開模試」を受け、学力を証明する準備をする。
  • 対策③: 公立の「不登校枠」と、私立の「個別相談」の両面で、学力で勝負できる学校を探す。

大切なのは、お子さんの学力を家庭で着実に育てることです。

お子さんの性格や特性に合った学習環境を整え、可能性を信じてサポートしてあげてください。

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