中学受験:6年生で偏差値20上げるのは可能?何ヶ月かかる?
中学受験を控えた小学6年生の保護者の皆さん。
「あと半年〜1年で偏差値を20上げたい!」という希望は、多くのご家庭で一度は口にされる目標です。
しかし、
現実的にそれは可能なのでしょうか?
どれくらいの期間で達成できるのでしょうか?
結論から言うと

偏差値20アップは状況次第では十分に可能です。
ただし、成功させるには
- 学習段階の見極め
- 性格・環境に合った戦略
- 無駄を削ぎ落とした実行力
が求められます。
偏差値20アップはどのくらいすごい?
まず、偏差値の仕組みを見てみましょう。
偏差値30→50 | 100人中:99位から50位へ | → 順位を49位上げる |
偏差値40→60 | 100人中:85位から16位へ | → 順位を69位上げる |
偏差値50→70 | 100人中:50位から3位へ | → 順位を47位上げる |
一見、40→60の方が上がり幅が広く見えますが、偏差値が高くなるほど競争相手のレベルが急激に上がるため、後半ほど難度は跳ね上がります。
特に偏差値60以降は「知識量+戦略+応用力+精神力」すべてが求められます。
偏差値が上がりやすいゾーンとその理由
偏差値30→50
できるところに戻って、そこから着実に基礎を整えることで実現可能です。
何も勉強をしていなくても偏差値が30ということは
- そもそも基礎学力が足りていない
- 授業を上手に聞けていないケース
が多く、ただ問題を解けば上がるというわけではありません。
論理エンジンなどの能力開発的なことも行い、思考力を引き上げながら対策をします。
偏差値40→60
実は、このゾーンが一番偏差値を上げやすいとも言えます。
最低限の学習姿勢があるものの
- 学習のやり方がわかっていない
- 基礎学力が身についていない
など、原因がはっきりしており、原因に対しても即座に対策できるケースが多いからです。
この偏差値帯は、ライバルたちも強すぎない、というのもポイントです。
基礎ができていない状態から始めれば、集中的な学習で十分に可能です。
偏差値50→70
実はここの引き上げが一番難しいです。
というのも、上位1割の”勉強猛者”たちの中には、小学生なのにすでに高校レベルの知性を持っている天才タイプや、効果的な学習法をやり尽くして今の順位をキープしている強者たちであふれているからです。
もしすでにお子さんが一定の勉強量があるのに偏差値が上がっていないのなら、偏差値20アップは非常に難しく、特に短期間では現実的ではありません。
ただ、天才タイプなのに努力をしていなかった、などの場合は、偏差値70レベルの猛者に並び立つ可能性があります。
大幅に偏差値を上げるのにちょうど良いのは、夏休みです。
学校の授業が止まり、時間を自由に使える今だからこそ、お子さんの偏差値をガッツリと上げてしまいましょう。
学習ステージごとの具体的対策
1. 受験勉強を始めたばかり
中学受験の内容に触れるのが遅かったご家庭では、「4年生の内容から一気に6年生の応用問題を解く」ような状況になりがちです。
- 塾のスピードについていけない
- 問題の意味がわからない
- 解き方を丸暗記してしまう
このような状態では、学力は伸びません。
まずは



学年にとらわれず、理解できるところからスタートすることが鍵
です。
精神年齢は高まっているため、理解の吸収スピード自体は速いはず。
焦らず、基礎から再構築することで十分間に合います。
2. 塾には通っているが、家庭学習ゼロ
このタイプは「授業を聞いているだけ」になっており、記憶が定着していません。
- 授業内容が短期記憶にとどまりやすい
- 解き方だけ覚えて本質を理解していない
この場合、一度習ったことを改めて最初から自分のものにする学習が必要です。
この方たちはできれば
- 講義型の集団塾の授業は最小限にする
- 自分で演習する時間をしっかりととる
- 間違えた問題については解説を読んで別の日にやり直しをする
など、演習をしながら自分で0から答案をを再現できる学習をする必要があります。
3. 宿題はやっているが、自分の工夫がない
勉強の「受け身」状態。
宿題はやるけれど、自分の苦手を把握したり、対策したりしていないため、成績にムラが生じます。
- 得意分野だけ偏差値が高い
- 苦手分野が全体の足を引っ張る
模試の結果から「どこでつまずいたか」を分析し、苦手の原点を見つけて埋めていく作業が必要です。
苦手が重なると、他分野にも波及するので要注意です。
4. 自宅学習も工夫しているが、成績が上がらない
自分なりに工夫して勉強しているが、結果が頭打ち。
この場合はやり方の棚卸しと教科の取捨選択が必要です。
- 時間をかけているのに成果が出ない学習方法は中止
- 合格点を狙う教科を明確に
このケースの方がさらに成績を上げていきたいのであれば、
今の学習スタイルをすべて見直す必要があります。
- 時間の割に結果につながっていないやり方についてはバッサリと切り捨て
- 使った時間の割に結果が出ている、もしくは時間を使っていないのに結果が出ている教科などに時間を割く
ことで、今まで上がりきらなかった部分の点数を大幅に上げることが可能です。
この段階まで来ているケースの場合は、最終的な合格不合格と言うところを見据えて、全部の教科を全てまんべんなく上げるのではなく
- どの教科で点数を取りに行くのか
- どの教科は最低ラインの点数を取るのか
作戦を決めて、戦略的にあげる教科あげない教科を作り、現在の子供のモチベーションや時間をキープしながら、最大限の効果が上げられるように仕上げていく必要があります。
偏差値アップに必要な期間と計画の立て方
偏差値20アップに必要な期間は、
小6:夏休み前からなら | 3ヶ月(夏休みを入れて) |
小6:秋以降からなら | 3ヶ月で5〜10ポイントアップが現実的な目標 |
です。
どんなに短期間でも『最短3ヶ月、できれば半年以上』は確保したいところです。
学力向上には、
- 課題の把握(どこが弱い?)
- 戦略立案(何をどう学ぶ?)
- 習慣化(毎日やる仕組み)
の3ステップが必要です。
偏差値アップのための最強プランニング術
子どもの体力・メンタルを最良に保つ
どんな戦略も、体調不良やメンタル低下が続けば崩壊します。
まずは無理のない学習スケジュールを。
疲れている時は、1教科だけに絞って質を高めましょう。
子どもの性格に合った学習設計
性格タイプに合った学習法は、効果が2〜3倍違います。
集中力が続かない | 25分×3セット+ご褒美 |
慎重で丁寧なタイプ | 解説ノート・復習中心 |
おうち受験コーチングではエニアグラムを用いた性格分析を活用し、個別にプランニングしています。
エニアグラムの診断はこちらからしていただくことができます。
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サポート体制をチームで整える
家庭・塾・家庭教師・コーチングの「役割分担」を明確にして、親が全部やろうとしないことが大切です。
勉強を教える | 塾・家庭教師 |
モチベーション管理 | 家庭・コーチング |
計画立案・戦略設計 | 受験コーチング |
集団塾は授業はしてくれますが、それ以外のことは自分でやらなければなりません。
たとえば…
- わからない問題が出たとき、誰に助けてもらうのか?
- 子どものモチベーションを管理するのは誰か?
- 学習計画を立てて進捗を管理するのは誰か?
こうした役割を明確にし、誰が何を担うかを決めて、チームとして動くことが重要です。
家族だけで難しい場合、外部サポートも活用しチームを作る
家族で難しい場合は、外のサポートを借りながら、チームを作りましょう。
チーム作りのカギは「家庭の方針」
チームを作るときに大事な事は、家庭の方針を理解し、方針に合った対策を立ててくれるかどうかです。
いくらプロフェッショナルな先生でも、我が家の方針に合わせてくれない先生は必要ありません。
受験を通して「子どもに何を身につけてほしいか」を家庭内で共有
この受験を通して、子供に何を身に付けて欲しいのか、そのようなことを家庭内で話し合い、そこをぶらさないようにしましょう。
例えば
- 子供に学ぶ楽しさを身に付けて欲しいのか
- 学習習慣を身に付けて欲しいのか
- どうしても入りたいと言っている中学に合格してほしいのか
これは似ているように見えて違っています。
もし全部を叶えることができないと分かったときに何を優先するのかこれを決めておきましょう。
すべてを叶えられない時、何を優先するかを決めておく
もし「全部やる」のが難しいと分かった時に備えて、何を優先すべきかを最初に決めておくことが、ブレないチーム作りの土台になります。
家庭・塾・家庭教師それぞれの役割
家庭
家庭では子供のモチベーション維持や生活管理学習環境の整備が最重要です。
先にも書きましたが、小学生の子供は自分で自分のモチベーション維持したり、自分の体調管理をするのは極めて難しいです。
そのためときには愚痴を聞いてあげたり、イライラする気持ちを発散させてあげたり、疲れた時は思いっきり寝かせてあげたりしながら、子供が翌日すっきりとした脳みそで勉強に向き合えるように整えてあげましょう。
塾
集団塾はわかりやすい授業を展開する場所です。網羅的に知識をインプットすることに向いています。
個別指導塾は、わからないところを解決することに向いています。
苦手な単元1人で取り組むのが難しい単元については、先生にマンツーマンでついてもらってどこができないのかそこから見てもらうのが最適です。
多くの学習塾進学塾は、6年生の1学期までに、受験に必要な単元を全て終えています。
夏休みは総復習を行い、9月以降で過去問対策を行っていきます。
ただ過去問対策といってもみんなが皆同じ学校受けるわけではありませんので、自分が受ける学校の対策は塾の中ではなく家庭の中で行っていく必要があります。
家庭教師
家庭教師は個別指導塾と似ていますが、おうちに来てくれるところが、また完全にマンツーマンというところが違います。おうちに来てくれると言う事は、家庭での学習環境も含めて改善のアドバイスをもらうことができます。
しかしあくまで家庭学習は、家庭教師が来ていない時間に行わなければなりません。
そのため家庭教師の方針と保護者の方針を合わせて、タッグを組んで 取り組んでいく必要があります。
塾や家庭教師ではできないこと
- 学習方法の指導
-
家庭教師や個別指導塾に、学習のやり方を教えてほしいと希望する方もいらっしゃいますが、ほとんどの家庭教師や個別指導塾の講師は、子供に合った学習のやり方を指導することはできません。自分がやった学習のやり方の中からうまくいったことをアドバイスすることはできますが、それも抽象的なアドバイスが多く、具体的なところは家庭内で考えていくことが必要です。
- 全体の合格戦略
-
また家庭教師や個別指導塾に、全体の合格戦略を考えてほしいと考える親御さんもいらっしゃいます。しかし家庭教師は個別指導の先生と言うのは完全に教科ごとに分業化されており、その教科に対しての責任は持っているものの、全体としてどうしたら合格できるのかと言うのは家庭で考えていかなければなりません。
多くの中学受験が、4教科の合計点 教科の合計点で合否が決まります。全部の教科を同じ点数にして合格すると言う子は実際にはほとんどいません。なので得意な教科で点数をとって苦手な教科では最低の点数を取ると言うところで作戦を立てていくのですがそういった作戦は全て家庭で立てる必要があります。
詳しくはこちらの記事で説明していますので、ぜひお読みください


偏差値の注意点と落とし穴
- 模試や母集団で偏差値は変わる
- 母集団が小さい模試の偏差値は参考になりにくい
- 偏差値に一喜一憂せず、「できていない単元」「次にやるべきこと」を見極めることが大切
偏差値については、こちらの記事も参考にされてください


最後に:あなたのお悩みを聞かせてください
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
とはいえ、これらを全て家庭だけでやり切るのは簡単ではありません。
そこで私たち「おうち受験コーチング」では、
- お子さんのタイプ・現在地に合ったプランニング
- 志望校とのギャップを埋める最短合格戦略
- 親御さんへのメンタルサポート
をセットでご提供しています。
6年生は「やること」よりも「やらないこと」を決めるのが重要。
プロの視点で、今やるべきこと、やらなくていいことを見極めたい方は、ぜひ【無料説明会】にご参加ください。
一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。