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こんにちは。

 

おうち受験コーチングの鈴木詩織です。

 

 

おうち受験コーチング 鈴木詩織

 

 

12月中旬となり、クリスマス一色となってきました。

学校は、まもなく冬休みを迎えるところでしょうか。

3学期制の学校では、通信簿をもらう時期となりました。

 

 

「通信簿の見方・味方」ということで、

通信簿について紹介します。

 

 

 

ちなみに全国的には、

小学校では「あゆみ」と呼ばれることが多く、

中学校では「通知表」と呼ばれることが多いです。

 

 

 

1.通信簿とは

 

 

 

そもそも通信簿とは何でしょう?

 

 

 

驚かれるかもしれませんが、

学校は通信簿を作成する義務はありません。

 

 

 

学校が保護者や児童・生徒に

学習の状況や出欠席などを

通知するために作成しています。

 

 

 

現状、通信簿に代わるより良い方法がないこともあって、

通信簿を学期末に渡す方式が長年続いています。

 

 

 

この通信簿ができるまで、

多くのプロセスを経て、出来上がっています。

 

 

 

2.通信簿ができるまで

 

 

各学校の教育活動の基準を定めているのが

文部科学省が定める「学習指導要領」です。

 

 

 

学習指導要領では、

学習を通して、3つの資質・能力を育てることを定めています。

 

 

 

それが

「知識・技能」

「思考・判断・表現」

「主体的に学習に取り組む態度」です。

 

 

 

教育委員会は、

習指導要領をもとに地域の実情に合わせて、

かつ各学校での教育活動を決定できるように

通知や研修などで支援します。

 

 

 

文部科学省や教育委員会から降りてきたものをもとに、

学校ごとの実情に合わせて

各学校で各教科等の教育活動を編成します。

 

 

 

各学校での教育活動を編成するために、

多くの学校では「学校教育目標」を定めています。

 

 

 

そして、

目標を達成するために必要な力を

「育てたい資質・能力」

として定めます。

 

 

 

つまり、

各学校での教育活動は、

「学習指導要領で定めた資質・能力」と

「各学校で設定した資質・能力」を

組み合わせて編成されています。

 

 

 

そして、教育活動を進めた結果、

「3つの資質・能力」が育ったかどうかを評価します。

 

 

 

その結果が通信簿に記載され、

保護者や児童・生徒に伝えられることになります。

 

 

 

余談ですが、

「隣の学校とうちの学校で授業の中身が違うんだけど…」

という話を聞きますが、教育活動の編成は各学校ごとで、

学校ごとに育てたい資質・能力が異なるのですから、

隣の学校とうちの学校で授業の中身が違うのはよくあることです。

 

 

 

 

3.通信簿の見方

 

 

 

ここでは、中学校を例にして説明します。

 

 

 

どうしても1〜5の「評定」に意識がむきがちですが、

大事なのはその左側にある「観点別評価」です。

 

 

 

この「観点別評価」は

上で説明した「3つの資質・能力」と同じです。

 

 

 

多くの場合、

「知識・技能」

「思考・判断・表現」

「主体的に学習に取り組む態度」

のそれぞれの観点についてA・B・Cなどで評価され、

これをもとに評定が出されます。

 

 

 

なので、

どんなに「評定が悪い」と嘆いても、

「観点別評価」を改善しなければ、

評定がよくなることはありません。

 

 

 

 

4.観点別評価の意味

 

 

 

それぞれの観点の内容を簡単に見ていきましょう。

 

 

 

「知識・技能」

学習の過程を通した知識及び技能の習得状況について評価する

 

「思考・判断・表現」

知識及び技能を活用して課題を解決するために必要な、

思考力・判断力・表現力が身についているか評価する

 

「主体的に学習に取り組む態度」

知識及び技能を獲得したり、

思考力・判断力・表現力を身につけるために、

自らの学習を調整しながら学ぼうとしているかを評価する

 

 

 

3つの観点はバラバラに評価されることはなく、

連動しています。

 

 

 

主体的に学習に取り組みながら

「知識・技能」を身につけたか。

 

学んだ「知識・技能」を生かして

「思考・判断・表現」できているのか。

 

「知識・技能」や「思考・判断・表現」の力をつけるために

「主体的に学習に取り組む態度」を自ら育てることができたか。

 

 

 

英語を例にすると、以下のようになります。

 

 

 

英単語や文法事項を身につけたか

→知識・技能

 

身につけた英単語や文法事項をもとに

会話や英作文で表現したか

→思考・判断・表現

 

英単語や文法事項を身につけること、

会話や英作文で表現することを

主体的に取り組めたか

→主体的に学習に取り組む態度

 

 

 

3つの観点は連動して評価される以上、

どれか特定の観点のみに集中するのではなく、

バランスよく伸ばしていくことが

評価・評定を上げるポイントになります。

 

 

 

ここで気になるのが

「主体的に学習に取り組む態度」ですね。

 

 

 

上の例で説明すると

どんなに英単語や文法事項を覚えたとしても、

会話や英作文で「面倒くさい」と言って取り組まなかったら

「主体的に学習に取り組めていない」ので

評価は下がります。

 

 

 

外国から来た英語の先生と

積極的に会話ができたとしても、

使っている単語や文法がいい加減だったら

「主体的に学習に取り組めていない」と判断され、

こちらも評価は下がります。

 

 

 

「主体的に学習に取り組む態度」は、

以前から観点別評価の項目としては存在していました。

 

 

 

本来の趣旨は

「各教科等の学習内容に関心を持つこと」

(例:社会的事象に対する関心・意欲・態度)です。

 

 

 

ですが、

実際に学校で行われてきた評価の場面では、

授業中に手を上げた回数やノートの記録の状況など、

性格や行動面の傾向が一時的に表れた場面を捉えて

評価されている実態が続いてきました。

 

 

 

新しく始まった「主体的に学習に取り組む態度」では、

従来から重視されてきた

各教科等の学習内容に関心を持つことに加えて、

よりよく学ぼうとする意欲を持って

学習に取り組めているかを評価することになっています。

 

 

 

ノートやレポートの記述内容、授業中の発言、

行動観察、自己評価や相互評価、定期テストなど、

さまざまな方法を用いて評価をします。

 

 

 

課題を解決するために粘り強く取り組めているか、

自ら工夫や調整をしながら課題に取り組めているか、

を見ています。

 

 

 

 

5.通信簿を味方につける

 

 

 

ここまで「観点別評価」について話してきました。

 

 

 

「通信簿」を味方につけるとは

「観点別評価をもとに改善するためのヒントを得る」ことです。

 

 

 

ここでは、

「どうすれば『主体的に学習に取り組む態度』

の評価を改善できるのか」について、

参考例を示します。

 

 

 

レポート課題に取り組む時に、

本やネットの丸写しでは粘り強く取り組めていると判断されません。

 

 

 

本やネットの情報をもとに、自分の言葉で表現できているか。

加えて1つの資料を見ただけで終わらせず、

複数の資料を比較・検討した結果を表現できているか。

 

 

 

ここまでできれば、

粘り強く取り組めていると判断される可能性が上がります。

 

 

 

さらに、

「思考・判断・表現」の評価も上がる可能性があります。

 

 

 

英語で英作文や会話で表現する課題のとき、

授業で提示された表現を用いるのはもちろんのこと、

自ら主体的に新たな表現を積極的に使ってみることが大切です。

 

 

 

うまく行かなくても

よりよく表現できるように粘り強く単語や文法事項を学習して、

その結果より良い表現ができるようになると、

評価が上がる可能性があります。

 

 

 

学習の記録として

ポートフォリオなどに取り組む学校もあります。

 

 

 

自己評価として記録を自ら残していく取り組みです。

 

 

 

ポートフォリオには前向きに頑張った、

努力したと書くことも大切です。

 

 

 

ですが、

ポートフォリオに書いたことが、

知識・技能や思考・判断・表現の部分に表れていなければ、

結果的には主体的に学習に取り組めていない

と判断されることもあります。

 

 

 

 

6.さいごに

 

 

 

以上、通信簿の見方・味方というテーマで話してきました。

 

 

 

評定の数字のみにとらわれず、

観点別評価を参考にこれからの学習に生かしていけたら幸いです。

 

 

 

 

最後までお読み下さり、ありがとうございました。

 

 

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